外国人事件の場合、執行猶予判決でも退去強制になるケースがある
近年日本では、外国人事件が増加傾向にあります。
実際に、令和6年の犯罪白書によると令和5年に比べ、犯罪件数は20パーセント増えています。
外国人が犯罪を行った場合、たとえ執行猶予判決を受けた場合でも強制退去になる可能性があります。
外国人が強制退去になる事由
外国人が強制退去となる事由は、入管法24条4号の2で、以下のように規定されています。
第24条 次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続により、本邦からの退去を強制することができる。
四の二 別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者で、刑法第二編第十二章 、第十六章から第十九章まで、第二十三章、第二十六章、第二十七章、第三十一章、第三十三章、第三十六章、第三十七章若しくは第三十九章の罪、暴力行為等処罰に関する法律第一条、第一条ノ二若しくは第一条ノ三(刑法第二百二十二条 又は第二百六十一条 に係る部分を除く。)の罪、盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第十五条 若しくは第十六条 の罪又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第二条 若しくは第六条第一項 の罪により懲役又は禁錮に処せられたもの
別表第一の在留資格とは、主に以下のようなものを指します。
多くの在留資格はここに含まれると理解してください。
- 技能
- 技術
- 国際業務・人文知識
- 留学
- 短期滞在技能実習
- 興行経営管理
※別表第二の永住者、日本人配偶者等、永住者の配偶者等、定住者は含まれないことになります。
実務上外国人が強制退去になる可能性のある犯罪行為とは?
外国人が刑事事件で処罰され、強制退去になる可能性があるものとしては次のようなものが挙げられます。
■偽造系
- 通貨偽造、行使等の罪
- 文書偽造、行使等の罪
- 有価証券偽造等、行使等の罪
- 印章偽造等の罪
■窃盗など財産犯
- 窃盗罪
- 詐欺罪
■傷害などの粗暴犯
- 傷害、未遂、傷害致死罪
- 暴行罪
- 恐喝罪
- 盗品等に関する罪
■重要犯罪
- 殺人罪
- 不同意性交等罪
- 誘拐・人身売買罪
外国人事件は不起訴にすることが非常に重要となる
外国人の方が、刑事事件で有罪判決を受けてしまった場合、執行猶予により実刑を免れたとしても、強制退去になってしまう可能性が高いです。
そのため、外国人事件では、不起訴にすることが非常に大切になります。
というのも、仮に逮捕されたとして、最終的に不起訴を得ることができれば、基本的に在留資格に影響することはないとされているからです。
もちろん、在留資格の更新や、永住権申請、帰化申請の場合でも、前科があることは不利になりますので、その意味でも不起訴を目指すことが最重要になります。
しかし、万が一、起訴されてしまったケースでも諦める必要はありません。
出入国在留管理庁より退去強制事由の疑いがかけられた、または退去強制事由にあてはまってしまった場合には、口頭審理をはじめ、さまざまな準備があるため、早期に弁護士へ相談することが大切です。
早期に依頼することで、「仮放免制度」や「監理措置制度」「在留特別許可」などを利用し、受ける不利益を最小限に抑えられる可能性が高まります。
弊所では、多くの外国人弁護のご依頼を受けており、早期に介入することで数多くの不起訴実績を獲得していますので安心してお任せください。
まとめ
今回は、外国人の刑事事件と強制退去の関係について紹介していきました。
外国人の場合、有罪になると執行猶予がつく、つかない関係なく強制退去の対象となってしまう可能性が高いです。
そのため、逮捕された場合には、外国人事件に強い弁護士に依頼して、不起訴を得ることが大切です。
また、有罪が確定してしまい、退去強制事由に該当した場合でも、在留特別許可申請などを行うことで、引き続き日本に在留できるケースもあります。
日本人と同様に執行猶予で安心するのは危険なので、逮捕をされてしまった場合には、あきらめず、入管法に精通した弁護士へ相談してください。